イタリアのブラインドサッカーフェンス(その2)

その1からの続き)
 
◎フェンスは木製
さて、フェンスの紹介です。
フェンスは木製の組み立て式。組み立てるのもパズルを組み立てるようで、おそらく時間は日本のものに比べるとだいぶかかるのではないでしょうか(人手の少なさもありましたが、バラすのも1時間ほどかかってました)。これらは関係者のお手製だそうで、このサンレモを拠点にするチームはいろいろと備品類のお手製の開発をしており、開発秘話も楽しめました。
 
▼フェンス全景

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掲出物はいわゆるテント生地。それを木製の表面に覆い、裏側でテープで留めてあります。日本のようにマジックテープではありません。
 

 

▼表面のアップ

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1枚のサイズは約2.4m。日本製に比べて長い構造です。鉄製の枠に木製のパネルをはめている形です。
 
▼撤収の様子:枠を外すと木製のパネルが上下はなれます。1枚あたりの重量も結構あります。一人で持つにはちょっとおもすぎる感じです。

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上下の噛み合わせも筋が入っており、しっかりとハマる構造でよく出来ていると思いました。
 
▼外していくとこんな感じ。

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▼最後は支柱だけが残ります

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◎裏の構造
 
▼ 裏側全景:非常に簡易な作りです。日本にあるような強度を増すための構造などはありません。

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▼ほぼ直角

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角度はほぼ直角です。いくつか水を入れる形式のウェイトが置かれていましたが、強風で確実にピッチ側に「バタン」と倒れます。関係者も「倒れるね」と頷いてました。
 
全体としても持ち運びはあまり想定していない設計な印象です。一枚あたりのパネルも重く、大きいです。日本仕様のトラックだと納まりが悪いでしょう。パネル1枚を一人で持ち出しにくいのも効率が悪い。ふだんは半固定して同じピッチにおいてあるそうなので、通常はあまりそういった運用はしていないので問題はないのかもしれません。
 
 
◎いかに砂浜にピッチが作られているか
最後に、ピッチが砂浜にどうやってつくられているのかご紹介。
 
▼砂浜の上に50cmほどかさ上げ

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ピッチがあるのは砂浜です。手前にコンクリート部分が見えていますが、これはクラブハウス的な建物の延長で、ここまでです。初見ではちょっと驚く程度の高さがありました。
なお、もちろんピッチの上は、ある意味”弾み”ます。木製の骨組みに同じく木製のパネルが敷き詰められているイメージです。多少そのパネルが歪んでおり、ピッチの表面はパーフェクトではありません。
 
▼ピッチ底のアップ

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◎サンレモは再訪必須
熱海のような(?)町。真冬のパリからの移動後ということもあり、暖かくとても好印象な町でした。
選手たちは、フランスで2つのピッチ、イタリアで1つのピッチを、十分な適応時間なく試合に臨みました。本遠征の一つのテーマであった環境適応です。フランスのピッチに比べると、はたでみているとイタリアのこのピッチは、海の波の音やちょっと凸凹を措いて、選手たちも楽しそうな印象を受けました。
 
ちなみにこんなにステキな町でしたが、選手団の滞在時間は約16時間ほど。観光はおろか街歩きもできないハードスケジュールでした。また次回、訪れたいものです。
 

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