フランスのブラインドサッカーフェンス

◎フランスのサイドフェンス

 早いもので、ブラインドサッカー日本代表の欧州遠征からもう1ヶ月以上。
遠征については「ブラインドサッカー日本代表ブログ」に詳しく書かれているので、ぜひ参考にしてください。
 
マニアックなテーマですが、ブラインドサッカー関係者にとって、海外事情で気になるテーマの一つは「サイドフェンスの仕様」。というわけで、久しぶりのブログ更新は、欧州遠征でみた、フランスのサイドフェンスについて。
 
 

◎対フランス第2戦でのフェンス

 フランスとの強化試合では2種類のフェンスを体験しています。ここでは第2戦で戦った際に利用したプラスチック製のものを紹介します。第1戦のサイドフェンスはフランスにとってもイレギュラーだったものなので参考にするまでもないでしょう。
 
▼フランスのフェンス全体

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色は緑、プラスチックに鉄製の骨組みです。大きさはほぼ日本と同じで幅は2メーターちょうどとのこと。2mのフェンスをつなぎ合わせていくのは日本と同じです。
重さは正確には把握できませんでしたが、骨組みが鉄製でもあり日本より明らかに重かったです。フランスでは持ち運んでの利用は想定していないそうで、軽量化されているわけでもありません。(かといって常設でフェンスありのコートがあるわけでもありません)
 

 

▼少し近くから

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継ぎ目のシルバーは特に意図のある構造ではないと想像してます。鉄がそのまま見えているわけでもありません。継ぎ目には透明のテープも貼ってあります。これはおそらくできるだけずれないためだと思われます。後述ですが、連結はそれほどタイトに、しっかりとできていなかったので、テープで気持ちだけでもずれないようにしてあったと思います。
 
▼裏側からみた骨組み

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骨組みを見ると、日本の神戸のと同様、鉄製です。三角形のL字部分が開閉する形で、平らな状態にすることができます。少し閉じきっていないように見えますが、実際、閉じきってません。
 
▼ジョイント方法

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日本のフェンスも骨組みと骨組みをジョイントしていますが、フランス製もジョイントしてます。丸いネジに見えますが、これを丸い穴同士に入れるかたちです。ただ、今回見た様子では、フェンスの利用によるがたつきからか、この小さい穴をしっかりとジョイントするのはすでに難しい状態になっていました(結果として、ひとつひとつの連結はゆるいものでした)。チェーンにつながれたこの"カギ"自体がとれて紛失している部分も見られ、日本同様、耐久性を持ちながら維持していくのが難しい様子がみられました。
 
▼骨組みの上の方

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上の方にジョイントは特にありません。
 
▼真横から見たところ

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真横からの図です。正確な確度は把握できませんでしたが、日本のフェンスよりやや急勾配なため、10度程度と予想しています。感覚としては屋外で真後ろから強風がふけば、ピッチ側に倒れるだろう程度です(重量があるだけに、安全管理が難しそうです)。
 
▼上部分

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選手が触れやすい上の部分は、カーブを描いており、プラスチックも張り合わせではないので、比較的なめらかな触れ心地でした。日本は消耗すると”ギザギザ"になるため、これは耐久性もある良いものだと感じました(そうすると、日本製でこういう構造にするといかに厚みをアルミで抑えるかなんでしょうね)。
 
▼最後に試合の様子

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プラスチックそのままのため、もろに衝突すると日本製より痛いと思いますが、了解を得られそうな素材かなぁというのが感想です。日本では、そろそろ"持ち運ばない"ことを前提としたフェンスの仕様があってもいい段階に来ている気がします。半常設でフェンスを制作するときの参考になります。
 
ちなみにフェンス、やっぱりフランスでもスタッフやボランティアがアットホームに手作業で組み立てていました。日本のフェンスの稼働はフランスよりもきわめて高く、年間のべ50日くらいは関東だけで利用されているかと思います。それらのフェンスを組み立てているのもボランティアです。というわけで、ぜひ日本のフェンスの組み立てにご協力を。ボランティア募集、スタッフ募集はウェブサイトご覧ください。